農業者における小規模宅地の特例

ここでは農業を行なっている事業者(以下、「農業者」という。)が、相続税における小規模宅地の特例を適用する場合についてご案内させていただきます。

耕作されている農地については、基本的には小規模宅地の特例の適用はありません。その代わりに農地の納税猶予という制度がございます。では、農業者が小規模宅地の特例を受けることができる場合とは、どんなケースがあるのか、以下で確認していきます。
ただし、特例の適用要件がございますので、要件に該当するかどうか専門家に相談されることをお勧め致します。

農業者における小規模宅地の特例について

1.小規模宅地の特例対象例
(1)農業用耕うん機、トラクター、農機具等の収納用の建物の敷地の用に供される土地
※ただし、以下の場合を除く。
①温室その他の建物でその敷地が耕作の用に供されているもの。
②暗渠その他の構築物でその敷地が耕作・養畜等の用に供されるもの。
(2)農作業場(一定のものを除く)

2.概要
特定事業用宅地等に該当する土地については、400㎡を限度として、当該土地の評価額の80%減額を行うことができます。
また、被相続人と生計を一にしていた親族の事業の用に供されていた宅地等もこれに含みます。

3.要件
特定事業用宅地等の特例の適用要件としては、以下の二点となります。
(1)事業承継要件
その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を相続税の申告期限までに引き継
ぎ、かつ、その申告期限までその事業を営んでいること。
(2)保有要件
その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。

4.評価例

★前提条件

相続財産;自宅330㎡(評価額33百万)、農業用倉庫敷地400㎡(評価額40百万円)
農業所得申告者及び所有者;父(配偶者はなし)
事業承継親族;息子で農業を承継
同居 生計の状況;同居 生計一
建物の利用状況;トラクター等の農機具を収納
遺産分割;生計一の息子が自宅及び農業用倉庫の敷地を取得

上記のような土地の場合、自宅の敷地については、特定居住用宅地等の特例を利用し、農業用倉庫の敷地については、特定事業用宅地等の特例を利用することができます。
計算を見てみると以下のような効果があります。

(1)特定居住用宅地等の特例

  • 33,000,000円×80%=26,400,000円

(2)特定事業用宅地等の特例

  • 40,000,000円×80%=32,000,000円

(3) (1)+(2)=58,400,000円
特例を受けることによって、58,400,000円の財産を圧縮することが可能となります。

上記はあくまで特例を受けられる場合を仮定しております。
前提条件が一つでも変わってくると、特例自体を受けられない可能性があります。前提条件等、適用可能かどうかを判断する必要がありますので、相続税の専門家に相談することをお勧め致します。
 

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