相続税計算と借入金

借入金とは、所要資金を金融機関や企業、個人などから返済期限や金利等の諸条件を定めて借り入れたもので、返済義務を負った資金調達方法です。
借入金の種類には返済期間が1年以内の短期借入金(主に手形貸し付け・手形割引・当座貸越)、1年を超える長期借入金(主に証書貸付)があります。長期になると何十年単位の返済期間となることも珍しくありません。途中で相続が発生する可能性もあります。

 

借入金を相続する場合 ―債務控除できる人

借入金債務として債務控除(遺産総額から差し引くこと)ができます。ただし、差し引くことができるのは被相続人が死亡したときにあった債務で確実と認められるものです。

なお、差し引くことが出来る人は下記2つの条件に当てはまる人でその債務を負担することになる相続人や包括受遺者(相続時精算課税の適用を受ける贈与により財産をもらった人を含みます)です。

1.相続や遺贈により財産を取得した時に日本国内に住所がある人
2.相続や遺贈により財産を取得した時に日本国内に住所がない人で次のいずれかに該当する人

  • ①日本国籍を有しており、かつ、相続開始10年以内に日本国内に住所を有していたことがある人
  • ②日本国籍を有しており、かつ、相続開始前10年以内に日本国内に住所を有していたことがない人(被相続人が一時居住被相続人または非居住被相続人である場合を除く)
  • ③日本国籍を有していない人(被相続人が、一時居住被相続人、非居住被相続人または非居住外国人である場合を除く)

 

借入金を相続する場合 -やるべきこと

1.借入金の把握
借用書や金融機関から届く請求書などの「お知らせ」を確認し、いくら借入金があるのかを把握しましょう。


2.方針を決めて、必要な行動する

単純承認(借入金をそのまま引き継ぐ場合)
この場合は、債権者に連絡をして今後の支払い方法(振込口座など)を確認しましょう。共同相続(相続人が複数いる)の場合は、それぞれの相続人に対して相続分の割合に応じて相続されるため、相続人のうちの1人が債務を引き受けることはできません。そのため相続人同士でどうするか話し合い、返済していくことになります。

相続放棄あるいは限定承認
借入の額が大きすぎて払っていけない場合は相続放棄または限定承認をします。
相続放棄した場合は資産も債務もすべて放棄することになります。相続放棄をするには自己のために相続の開始があった時から3か月以内に家庭裁判所に書類の提出が必要です。

限定承認をした場合、相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐことができます。
こちらも自己のために相続の開始があった時から3か月以内に家庭裁判所に書類の提出が必要です。

上記のように財産に借入金がある場合の相続は注意が必要です。借入金がどれくらいに及ぶのかを計算し、相続をするか相続放棄や限定承認をするのかの見極めが難しいところです。借入金と相続税の計算についてお困りの方は、税理士にご相談されることをお勧め致します。

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