中小企業における相続税の納税猶予 

事業承継税制とは

事業承継税制は、中小企業のオーナーの後継者である受贈者・相続人等が、円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において、その非上場株式等に係る贈与税・相続税について、一定の要件のもと、その納税を猶予し、後継者の死亡等により、納税猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度です。

平成29年度税制改正では、この中小企業の事業承継税制について、これまでの措置に加え、10年間の措置として、納税猶予の対象となる非上場株式等の制限(総株式数の3分の2まで)の撤廃や、納税猶予割合の引上げ(80%から100%)等がされた特例措置が創設されました。

 

H30.4改正事項

  • 税制適用の入口要件を緩和→中小企業の事業承継にかかる負担を最小化

○対象株式数の上限を撤廃し全株式を適用可能にしました。また、納税猶予割合も100%に拡大することで、承継時の税負担ゼロになりました。


○親族外を含む複数の株主から、代表者である後継者(最大3人)への承継も対象になりま
した。中小企業経営の実状に合わせた、多様な事業承継を支援します。

 

  • 税制適用後のリスクを軽減→将来不安を軽減し税制を利用しやすく

○売却額や廃業時の評価額を基に納税額を計算し、承継時の株価を基に計算された納税額との差額を減免しました。経営環境の変化による将来の不安を軽減しました。


○5年間で平均8割以上の雇用要件を未達成の場合でも、猶予を継続可能にしました(経営悪化等が理由の場合、認定支援機関の指導助言が必要です)。

 

  • 対象株式数上限等の撤廃

1)現行制度では、中小企業の先代経営者から贈与・相続により取得した非上場株式等のうち、議決権株式総数の2分の3に達する部分までの株式等が対象(贈与・相続前から後継者が既に保有していた部分は対象外です)。例えば、相続税の場合、猶予割合は80%であるため、猶予されるのは2分の33×80%=約53%のみになります。


2)対象株式数の上限を撤廃(2分の3→3分の3)、猶予割合を100%に拡大することで、事業承継時の贈与税・相続税の現金負担をゼロにします。

 

  • 雇用要件の抜本的見直し

1)現行制度では、事業承継後5年間平均で、雇用の8割を維持することが求められています。仮に雇用8割を維持出来なかった場合には、猶予された贈与税・相続税の全額を納付する必要があります。


2)制度利用を躊躇する要因となっている雇用要件を実質的に撤廃することにより、雇用維持要件を満たせなかった場合でも納税猶予を継続可能になりました。(※雇用維持が出来なかった理由が経営悪化又は正当なものと認められない場合、認定支援機関の指導・助言を受ける必要があります。)

 

  • 対象者の拡充

1)現行制度では、一人の先代経営者から一人の後継者へ贈与・相続される場合のみが対でした。


2)親族外を含む複数の株主から、代表者である後継者(最大3人)への承継も対象になりました。中小企業経営の実状に合わせた、多様な事業承継を支援します。

 

  • 経営環境変化に応じた減免

1)現行制度では、後継者が自主廃業や売却を行う際、経営環境の変化により株価が下落した場合でも、承継時の株価を基に贈与・相続税を納税するため、過大な税負担が生じえます。


2)売却額や廃業時の評価額を基に納税額を再計算し、事業承継時の株価を基に計算された納税額との差額を減免し、経営環境の変化による将来の不安を軽減します。

 

  • 相続時精算課税制度の適用範囲の拡大

1)現行制度では、相続時精算課税制度は、原則として直系卑属への贈与のみが対象でし
た。


2)事業承継税制の適用を受ける場合には、相続時精算課税制度の適用範囲を拡大することにより、猶予取消し時に過大な税負担が生じないようにします。

 

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