相続税の無申告調査と納税義務の時効

相続税の申告・納税義務の時効

相続税は、被相続人が亡くなってから10ヶ月以内に納税しなければなりませんが、被相続人が亡くなってから5年間または7年間が経過すると時効となり、納税義務がなくなります。

被相続人が亡くなったという事実を知らなかった場合(法律用語では知らないことを善意と言います)は5年間、亡くなったという事実を知っていた場合(法律用語では知っていることを悪意と言います)は、7年間が時効までの期間となります。

大量かつ反復的に行われる国税の賦課及び徴収を画一的かつ速やかに処理する必要があること及び国の債権の消滅時効が原則として5年であること(会計法第30条)を考慮して、国税債権に関する期間制限を賦課権については原則5年(国税通則法70条)、徴収権についても5年(国税通則法72条1項)と定められているためです。

また、納税者が納め過ぎた税金についての国に対する還付請求権も、徴収権と同様に5年の期間制限を定めています。

なお、相続税の申告が必要であるにもかかわらず、申告を怠って無申告の状態であったり、申告自体はしたけれども、その後納税をしなかった場合には、ペナルティを課される場合があります。

 

税務調査とその後に行う相続税申告

相続税の納税が必要にもかかわらず、無申告の状態である場合は、税務調査が実施されることがあります。
税務調査は、申告内容が正しいかどうかを税務署が帳簿などで確認し、申告内容に誤りが認められた場合や、申告する義務がありながら申告していなかったことが判明した場合に、税務署が納税義務者に対して是正を求めるものです。

税務調査後、申告期限経過後に課税価格又は税額等を修正する申告書の提出を行う場合は、この申告を修正申告といいます。(納付すべき税額が不足していたか又は還付金額が過大であった場合に限ります。)

税務調査により期限後申告書又は修正申告書を提出した場合、①無申告加算税、②過少申告加算税、③重加算税などのペナルティが課されることがあります。

 

①無申告加算税とは

期限後申告又は修正申告書を提出すると、申告等によって納める税金のほかに無申告加算税が課されます。
無申告加算税は、原則として、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額となります。

なお、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合には、この無申告加算税が5%の割合を乗じて計算した金額に軽減されます。

また、期限後申告であっても、次の要件を全て満たす場合には無申告加算税は課されません。

1.その期限後申告が、法定申告期限から1月以内に自主的に行われていること。
2. 期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること。
なお、一定の場合とは、次の(1)及び(2)のいずれにも該当する場合をいいます。
(1) その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を法定納期限(口座振替納付の
手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること。
(2) その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税又は重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。

 

②過少申告加算税

修正申告をしたり、税務署から申告税額の更正を受けたりすると、新たに納める税金のほかに過少申告加算税がかかります。

この過少申告加算税の金額は、新たに納めることになった税金の10%相当額です。ただし、新たに納める税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分については15%になります。

1.税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりま
せん。(ただし、平成29年1月1日以後に法定申告期が到来するもの(平成28年分
以後)については、調査の事前通知の後にした場合は、50万円までは5%、50万円
を超える部分は10%の割合を乗じた金額の過少申告加算税がかかります。)
2.確定申告が期限後申告の場合は無申告加算税がかかる場合があります。

 

③重加算税

無申告加算税又は過少申告加算税を課される事由がある場合であって、その期限内申告書が提出されず、又は期限内申告書等により納付すべき税額が過少となったことが、課税の基礎となる事実を偽ったり隠蔽したりしたことによるものであるときは、無申告加算税又は過少申告加算税に代えて重加算税が課されます。

その額は、無申告加算税に代えて課される場合には40%、過少申告加算税に代えて課される場合には35%をそれぞれの基礎となるべき税額に乗じて計算した金額になります。また調査による期限後申告等があった日の前5年内に無申告加算税等を課されていた場合には、重加算税はさらに10%を上乗せした額を課されることになっています。

 

相続税を申告・納税しないと

税務署は誰がどのような財産を所有しているかを十分に把握しており、その人が死亡したという情報は他の税金の申告・納付状況からすぐにつかむことができます。

5年間または7年間が経過すると相続税は時効になりますが、相続税の納付義務があるにもかかわらず無申告のままでいると、税務調査が入り、多額のペナルティを課される場合があります。相続税は期限内に納めるよう努めましょう。
 

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