税制改正大綱

令和3年度 税制改正大綱

「令和3年度 税制改正大綱」について、その主要な部分について解説します。

所得税

【1】住宅ローン控除の特例の拡充

  1. ①住宅ローン控除は原則10年間の特例ですが、消費税率10%が適用される住宅取得等については控除期間を3年間延長する特例が設けられ、現行では令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間に自己の居住の用に供した場合が適用対象ですが、令和3年1月1日から令和4年12月31日までに居住の用に供した場合にまで適用できることとなります。
  2. ②住宅ローン控除は住宅の床面積が50㎡以上であることが元々の要件ですが、上記①の特例は40㎡以上50㎡未満である場合にも適用できることとなります。(ただし、その場合、その個人の13年間の控除期間のうち合計所得金額が1,000万円を超える年については適用されないこととなります。)

【2】セルフメディケーション税制の見直し・適用期限延長

医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)について、対象となる特定一般用医薬品等をより効果的なものに重点化(所得税においては令和4年分以後の適用。住民税においては令和5年度以後の適用。)し、適用期限は5年延長され令和8年12月31日までとなります。

【手続きの簡素化】一定の健康診査や予防接種などの取組を行ったことを明らかにする書類の確定申告書への添付又は提示が必要でしたが、これが不要となります。但し、確定申告期限等から5年間はこの、保存が求められます。(令和3年分以後適用)

【3】退職所得課税の適正化

退職所得の金額は、原則として、次のように計算されます。

(収入金額 - 退職所得控除額) × 1 / 2 (注)= 退職所得の金額

【退職所得控除額】

勤続年数(端数切上) 退職所得控除額
20年以下 40万円×勤続年数(最低80万円)
20年超 800万円+70万円×(勤続年数-20年)

(注)現行では、「役員等勤続年数が5年以下である者」がその役員等勤続年数に対応して受ける退職金については、上記計算式の1/2を乗じないで計算した金額が退職所得の金額となっています。

今回の改正では雇用の流動化等に配慮し、法人役員等以外の者(従業員等)であっても勤続年数が5年以下である場合、その年数に対応する退職金について、退職所得控除額を控除した残額のうち300万円を超える部分には、上記計算式の1/2を乗じないで計算することとなります。

勤続年数 従業員(退職所得控除額を控除した残額で区分) 役員等
300万円以下の部分 300万円超の部分
5年以下 2分の1課税適用あり 2分の1課税適用なし 2分の1課税適用なし
5年超 2分の1課税適用あり 2分の1課税適用あり 2分の1課税適用あり

◇上記の改正は令和4年分以後適用され、住民税についても所要の措置が講じられます。

【4】移転促進区域内にある農地等の譲渡

都市計画法等の改正を前提に、浸水被害防止区域(仮称)、地滑り防止区域、土砂災害特別警戒区域、急傾斜地崩壊危険区域が追加された後の移転促進区域内にある農地等が集団移転促進事業計画に基づき地方公共団体に買い取られる場合、引き続き特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の2,000万円特別控除の対象となります(法人税も同様)。

【5】特定の民間住宅地造成事業のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除

次の見直しを行った上、適用期限を3年間延長します(法人税も同様)。

  1. ①適用対象から開発許可を受けて行われる一団の宅地造成事業を除外します。
  2. ②適用対象となる土地区画整理事業として行われる一団の宅地造成事業について、その施行地区の全部が市街化区域に含まれる場合に限定します。

【6】確定拠出年金制度についての税制上の措置

確定拠出年金法施行令の改正を前提に、確定拠出年金の拠出限度額(企業型・個人型)の見直しが行われた後も、現行の税制上の措置を適用することとします。

法人税

【7】給与等の引き上げ及び設備投資を行った場合の法人税額控除(所得拡大促進税制) 

<所得税も同様>

青色申告書を提出する法人が給与等の引上げを行った場合の税額控除制度について雇用環境の悪化に対応するため、新規雇用拡大・雇用者全体の給与等支給額・教育訓練支援に着目した形に見直し、2年延長となります。中小企業者等(資本金等の額が1億円以下の法人等をいう)と個人事業主は、下表の制度のうち、本制度と中小企業者等のみの制度とで選択でき、1.5%以上の賃上げからこの特例が適用できます。

【給与等の引き上げ及び設備投資を行った場合の法人税額控除のまとめ】(中小企業者等のみの制度は括弧書き)

項目 現行 今回の改正案
適用要件 ①雇用者給与等支給額が前期の同支給額よりも増加 同左
継続雇用者給与等支給額が前期比3%以上の増加
(中小企業者等は1.5%以上の増加でよい)
新規雇用者給与等支給額(*1)が前期比2%以上の増加
(中小企業者等は雇用者給与等支給額が前期比1.5%以上の増加でよい。新規・継続を問わなくなった。
③当期国内設備投資額が当期減価償却費総額の95%以上
(中小企業等は③の要件は不要)
③は要件から削除
税額控除割合 雇用者給与等支給額の前期比増加額の15%(※) 控除対象新規雇用者給与等支給額(*2)の15%(※)
(中小企業者等は雇用者給与等支給額の前期比増加額の15%(※))
【割増控除】教育訓練費の前年比増加割合が20%以上であれば、(※)は20%となる
(中小企業者等は継続雇用者給与等支給額が前期比2.5%以上増加し、教育訓練費が前期比10%以上増加等であれば、(※)は25%となる)
【割増控除】同左
(中小企業者等は雇用者給与等支給額が前期比2.5%以上増加し、教育訓練費が前期比10%以上増加等であれば、(※)は25%となる)
上限 適用年度の法人税額の20%を税額控除額の上限とする 同左
  1. *1 新規雇用者給与等支給額:国内で新たに雇用した雇用保険法の一般被保険者に対してその雇用日から1年以内に支給する給与等の支給額をいい、雇用調整助成金等は控除しないこととします。
  2. *2 控除対象新規雇用者給与等支給額:国内で新たに雇用した者に対してその雇用日から1年以内に支給する給与等の支給額をいい、雇用者給与等支給額の前期比増加額を限度とします。

【8】試験研究を行った場合の税額控除制度(研究開発税制)の見直し

<所得税も同様>

中小企業技術基盤強化税制(青色申告法人である中小企業者等に係る控除額上限上乗せ)について、次の改正を行った上、その適用期限を2年延長します。

  1. ①令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度のうち、基準年度(令和2年2月1日前に最後に終了した事業年度)比売上金額が2%以上減少したにもかかわらず試験研究費の額を基準年度試験研究費の額よりも増加させた法人については、控除税額の上限に当期法人税額の5%を上乗せし、最大40%となります。
  2. ②控除税額の上限に法人税額の10%を上乗せする特例の適用要件を、試験研究費の増加率が9.4%(現行:8%)を超えた場合に改正します。

(注)青色申告法人の試験研究費の総額に係る税額控除制度についても改正が行われ、税額控除率の見直し及び控除率の下限の引き下げ、上限の引き上げを行った上で、特例の適用期限を2年延長します。また、上記の①と同様の改正を行います。なお、この税額控除は、上記の税制との重複適用はできませんが、中小企業者等以外の法人にも適用できます。

【9】中小企業者等の法人税の軽減税率の適用期限延長

中小企業者等の年度所得800万円以下の部分に適用される法人税の軽減税率の特例(15%)の適用期限が2年間延長され令和5年3月31日までの間に開始する事業年度について適用となります。

【法人税の税率】

区分 平成30年4月1日以後開始の事業年度 令和5年4月1日以後開始の事業年度
中小法人、一般社団法人等 及び人格のない社団等 年800万円以下の金額 15% 19%
年800万円超の金額 23.2% 23.2%

資産課税

【10】住宅取得資金の贈与に係る贈与税非課税制度の拡充

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度について、次のとおり拡充と要件緩和が行われる。

  1. ①令和3年4月1日から12月31日までの間に住宅の新築等に係る契約をした場合の非課税限度額を次のとおり引き上げ、令和2年4月1日から令和3年3月31日までの間の非課税限度額と同額とする。

  1. ②受贈者のその贈与を受けた年分の合計所得金額が1,000万円以下である場合に限り、床面積要件の下限を、現行の50㎡以上から40㎡以上に引き下げる。

上記の改正は、令和3年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税について適用となる。

【11】教育資金、結婚・子育て資金の贈与に係る贈与税非課税措置の見直し・適用期限延長

  1. (1) 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度について、次の見直しを行なったうえ、その適用期限を2年延長する。
    1. ①贈与者が死亡した場合に、現行では、受贈者がその贈与者の死亡前3年以内に取得した受益権等についてこの特例の適用を受けたことがあるときは、その死亡の日における残額を相続又は遺贈により取得したものとみなして相続税の課税対象とすることとされているが、改正後は贈与者死亡の日までの年数にかかわらず、その死亡の日における残額を相続税の課税対象とすることとなる。
      但し、受贈者が23歳未満である場合や学校等に在学中である場合等、一定の場合を除く。(現行と同様)
    2. ②上記①により相続等により取得したとみなされる残額について、贈与者の子以外の直系卑属(孫等)に相続税が課される場合には、相続税額の2割加算の対象とする。
  2. (2)直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度について、次の見直しを行なったうえ、その適用期限を2年延長する。
    1. ①贈与者から相続等により取得したとみなされる残額について、贈与者の子以外の直系卑属(孫等)に相続税が課される場合には、相続税額の2割加算の対象とする。
    2. ②受贈者の年齢要件の下限を、現行の20歳以上から18歳以上に引き下げる。

上記の改正は、令和3年4月1日以後((2)の2については令和4年4月1日以後)の信託等により取得する信託受益権等について適用となる。

「教育資金の一括贈与」と「結婚・子育て資金の一括贈与」の特例制度の比較
赤字は改正になる点)
  教育資金 結婚・子育て資金
適用期間 平成25年4月1日から令和3年3月31日までの贈与
平成25年4月1日から令和5年3月31日までの贈与
平成27年4月1日から令和3年3月31日までの贈与
平成27年4月1日から令和5年3月31日までの贈与
受贈者の要件 契約日において30歳未満である者 契約日において20歳以上50歳未満である者
契約日において18歳以上50歳未満である者
(前年の合計所得金額が1,000万円を超える場合には適用できない)
途中で贈与者が死亡した場合の取扱い 贈与者が死亡した場合、死亡前3年以内の贈与に係る残高は相続又は遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となる
贈与者が死亡した場合、死亡までの年数に関わらず、残額は相続又は遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となる
贈与者が死亡した場合、残額は相続又は遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となる
受贈者が贈与税の孫等である場合、当該残高に係る相続税額には2割加算の適用なし
受贈者が贈与者の孫等である場合、当該残高に係る相続税額には2割加算を適用する

【12】土地等に係る固定資産税等の負担調整措置

  1. (1)宅地等及び農地の固定資産税については、令和3年度から令和5年度までの間、価格の下落修正措置を含め現行の負担調整措置の仕組みと、商業地等に係る条例減額措置及び税負担急増土地に係る条例減額措置を継続する。
    また、令和3年度限りの措置として、次の措置を講じる。
    1. ①令和3年度は、3年ごとの固定資産評価替えの年にあたるが、宅地等(商業地等は負担水準が60%未満、それ以外の宅地等は100%未満の土地に限る)及び農地(負担水準が100%未満の土地に限る)については、令和3年度の課税標準額を令和2年度と同額とする。
    2. ②令和2年度において条例減額制度の適用を受けた土地について、所要の措置を講じる。
  2. (2)土地に係る都市計画税の負担調整措置についても、固定資産税の改正に伴う所要の改正を行う。

【13】非上場株式等に係る相続税の納税猶予の特例制度

下記の場合には、後継者が相続開始直前において特例認定承継会社の役員でないとき(注)であっても、この特例制度の適用を受けることができることとする。①については一般制度についても同様とする。

  1. ①被相続人が70歳未満(現行では60歳未満)で死亡した場合
  2. ②後継者が中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則の確認を受けた特例承継計画に特例後継者として記載されている者である場合

(注) 相続税に係る事業承継税制の適用を受ける後継者の要件として、相続開始の直前において役員であり、相続開始から5か月後に代表者であることが定められている。

消費課税

【14】車体課税の見直し

自動車重量税のエコカー減税(排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車に係る自動車税の免除等の特例)について、次の見直しを行ったうえで、その適用期限が2年延長される。

(1)乗用自動車(軽油自動車を除く。)

  1. ①自動車重量税を免除し、又は税率を50%若しくは25%軽減する自動車に係る燃費性能に関する要件を次のとおりとする。
現行 改正案
令和2年度燃費基準に対する達成の程度が120%以上であるもの 令和12年度燃費基準に対する達成の程度が85%以上であるもの(※)
令和2年度燃費基準に対する達成の程度が110%以上であるもの 令和12年度燃費基準に対する達成の程度が75%以上であるもの(※)
令和2年度燃費基準を達成しているもの 令和12年度燃費基準に対する達成の程度が60%以上であるもの(※)

(※) 令和2年度燃費基準を達成しているものに限る

  1. ②新車に係る新規検査後に受ける最初の継続検査等の際に納付すべき自動車重量税を免除する自動車は、令和12 年度燃費基準に対する達成の程度が120%以上であるものとする。

(2)乗用自動車(軽油自動車に限る。)

  1. ①新車に係る新規検査の際に納付すべき自動車重量税を免除する自動車は、令和2年度燃費基準を達成しているものとする。
    (注)上記の改正は、令和4年5月1日から施行する。
  2. ②新車に係る新規検査後に受ける最初の継続検査等の際に納付すべき自動車重量税を免除する自動車は、令和12 年度燃費基準に対する達成の程度が120%以上であるものとする。

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