相続税における生命保険の遅延利息

生命保険金を受け取った時は支払通知書等、その内訳が分かる書類がありますので必ず保存しておきましょう。中には「死亡保険金」と異なるものが合算され給付されている場合があります。今回はその具体例と相続税上の取り扱いについてご案内します。

 

遅延利息

遅延利息とは、読んで字のごとく保険金の支払いが「遅延」したことに対する「利息です。よって手続きがスムーズに進んだ場合や、保険会社の処理ではなく相続人からの請求が遅れた場合などには付されないことも多いものです。

この遅延利息ですが、相続財産に含めないことになっています。よって給付額に含まれてしまっている場合は差し引いた上で相続税の計算を行いましょう。

では、全く何の税金もかからない収入なのかと言うとそうではありません。その遅延利息を受け取った相続人等のその年の雑所得として所得税の課税対象になりますのでご注意ください。

 

未経過保険料・前納保険料

例えば保険料を毎年決まった月に1度だけ支払っている場合、それは向こう1年分の保険料を前払いしている場合がほとんどです。その1年間の途中で被保険者が亡くなってしまった場合、そこから先の期間は保険の対象外であるにも関わらず既に保険料を支払ってしまっていることになります。よってその分を返金します、というのが生命保険金に含まれている未経過保険料の意味です。

保険金を全期間分保険会社に前納している場合は前納保険料とも呼ばれ、こちらも未経過の相当分が死亡保険金に合算されて給付されることがあります。

これらの未経過保険料や前納保険料は先ほどの遅延利息と違い、生命保険金として相続税の財産に含める必要があります。

 

 蛇足ですが「被相続人が生命保険の保険料を最初に一括で支払ったのに生命保険金に前納保険料が乗っていない」という場合は、その契約が前納ではなく「一時払い」であった可能性があります。給付内容に疑問のある方は証書をご確認の上、保険会社に問い合わせてみてください。

 

未経過保険料・前納保険料と生命保険の非課税枠

ここまで死亡保険金に附帯して給付されることのある金額について見てきました。未経過保険料等は生命保険金に含めなければならず厄介だと思われる方もいらっしゃることでしょう。
しかし「生命保険金に含める」ということは500万円×法定相続人の人数で算出される死亡保険金の非課税枠の適用ができるということでもあります。この点もご確認ください。

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