受遺者とは?遺言を通じて財産を受け渡す際に知るべき基礎知識

受遺者とは「遺贈を受ける人」のことを指します。

相続に関わると、このような普段使うことのない単語に出会うことがしばしばあります。相続は手続きが複雑な上に、ちょっとした解釈の違いで大きな損をしてしまう可能性があるので、基礎的な用語については正しく把握することが大切です。

そこで今回は、受遺者に関して以下の4つの要点について解説していきます。

  • 受遺者の2つの種類
  • 受遺者と相続人の4つの違い
  • 受遺者と受贈者6つの違い
  • その他の受遺者が出来る3つの事

受遺者の意味と立場をしっかり理解して、相続手続きをスムーズに進めていただけますと幸いです。

1.受遺者とは「遺贈」を受ける人のこと

受遺者とは「遺贈」を受ける人のことです。

「遺贈」とは遺言形式で財産を贈る(譲る)ことです。

つまり、受遺者とは、遺言によって財産を無償で取得する人のことを指します。また、遺言をして財産を贈る人のことは遺贈者といいます。

遺産相続が起きた時、基本は法定相続人が法定相続分の遺産を取得しますが、遺言がある場合は遺言書の内容が優先されるので、相続人以外の人にも遺産が分与されることがあります。

2.受遺者には2種類ある

受遺者は遺言の内容によって、特定受遺者と包括受遺者の2種類に分けられます。

2-1.特定受遺者

特定受遺者とは、遺贈する財産が特定してある受遺者のことです。

例えば「A県B市1-2-3にある土地家屋をAに遺贈する」という遺言があった場合、特定受遺者はAさん、特定遺贈の対象は「A県B市1-2-3の土地家屋」となります。

2-2.包括受遺者は4種類ある

包括受遺者とは、遺贈の対象となる財産を特定せず、積極財産(プラスの財産)と消極財産(負債などのマイナスの財産)を含めた相続財産の全部または、一定の割合を指定して行う遺贈(包括遺贈)を受けた人です。

包括遺贈は、次の4つに分けることができます。

① 全部包括受遺者

積極財産と消極財産を含めた全財産を遺贈された人のことです。

例えば、遺言書に「全財産をAに遺贈する」と書かれている場合、Aさんが全部包括受遺者となります。

② 割合的包括受遺者

積極財産と消極財産を含めた全財産の割合的な一部を包括して遺贈された人のことです。

遺言に「全財産の2/3はAに、1/3はBに遺贈する」とある場合が、これに当たります。AさんとBさんは共に割合的包括受遺者で、その取得する割合は、遺言書に書かれている通りになります。

③ 特定財産を除いた財産についての包括受遺者

特定遺贈(遺言で対象になる財産が特定してある遺贈)と包括遺贈の併存型の遺贈のうち、包括遺贈の部分の遺贈をされた人のことです。

例えば「A県B市1−2−3の土地家屋はAに、その余の財産のすべてをBに遺贈する」の遺言がある場合などがこれにあたります。全財産から特定財産(Aさんに贈る:A県B市1−2−3の土地)を除く残りの全て(包括遺贈部分)をBさんに贈る、という意味です。この場合はBさんが「特定財産を除いた財産についての包括受遺者」です。

④ 清算型包括受遺者

清算型遺贈とは、遺産を処分した代金を遺贈される人のことです。

例えば遺言に「◯◯の不動産を処分し、処分した代金をAに遺贈する」とある場合がこれにあたります。全ての財産を換価(見積り)して分配する場合と、上記のような特定の不動産など財産の一部だけを換価の上で分配するものがあります。

3.受遺者と相続人の違いは4つある

民法上では「包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する」(民法990条)とありますが、以下の4つの点で受遺者は法定相続人と違いがあります。

3-1.受遺者の代襲ができない

受遺者の権利義務は一代限りで終わります。

例えば、被相続人が亡くなる前に相続人が死亡している場合、その相続人の子や孫などが代わりに相続人となります。これを、代襲相続と言います。

一方、遺贈者が亡くなる前に受遺者が死亡していても受遺者の子や孫が遺贈を受けることはできません。

3-2. 他の相続人が相続放棄をしても受遺者の受遺分は基本的には増えない

受遺者には基本的に、遺言に書かれていることしか受遺できません。

例えば、相続人の一部が財産放棄をした結果、残された相続人には相続すべき財産が増えます。

しかし、受遺者は相続人ではないので、相続放棄があっても受遺者の受遺分は増えません。仮に、相続人全員が相続放棄したとしても、受遺者の受遺分は増えません。

3-3.生命保険金の受取人が相続人指定だと保険金を受け取れない

生命保険金の受取人は特定の人物にすることもできますが、「相続人」と記載することもできます。よって「相続人」と指定されている場合は、受遺者には受け取りの権利がありません。

3-4.団体でも受遺者になれる

受遺者は遺言で指定をすれば誰でもなることができ、個人・法人・法人格のない団体でも受遺者になることができます。

これに比べ、相続人は法律で定められており、

  • 配偶者
  • 直系卑属(子や孫など)、直系尊属(親や祖父母など)、兄弟姉妹(甥姪)

が相続人になります。(民法887、889、890、900、907)

【相続と遺贈の違い】

人が亡くなると、自動的にその人が持っていた財産上の権利・義務が法定相続人に移転します。
これを「相続」といいます。つまり、法定相続人以外に「相続」は起こりません。(民法882条、896条)

これに対し「遺贈」は、遺言があれば成立します。また、譲る相手(受遺者)の制限がないので、法定相続人とそれ以外の個人や団体にも「遺贈」ができます。
遺言の中に不動産が含まれる場合は「相続」と「遺贈」に3つの違いが生じます。

⑴ 相続なら不動産登記が単独でできる
遺言で指定された「相続」は単独で不動産登記ができますが、「遺贈」の場合は相続人全員の印鑑証明が必要です。相続で争いがある場合、他の相続人から協力が得られず、不動産登記に時間がかかってしまう場合があります。(遺言執行者がいる場合は「遺贈」でも遺言執行者と受遺者だけで登記でき、相続人の協力は不要)

⑵ 登記がなくても相続債権者に対抗できるのが相続
「相続」の場合は登記前でも相続債権者(借金・未払いのものがある人など)に対して権利を主張することができますが、「遺贈」の場合は登記がすまないと相続債権者に対して自分の権利を主張できません。

⑶ 相続は借地権や借家権について賃貸人の承諾が不要
「相続」の場合は相続人にそのまま権利が移行するので承諾が不要ですが、「遺贈」の場合は、借地権や借家権の遺贈を受けるのに、地主や賃貸人の承諾が必要になります。

4.受遺者と受贈者との違い

「受遺者」は遺言により財産を取得する人のこと、「受贈者」は贈与契約により財産を取得する人のことです。

受遺者と受贈者には6つの違いがあります。

5.その他  ~受遺者が出来ること3つ~

5-1.遺贈の放棄

受遺者が遺贈を辞退したい場合、遺贈を放棄することができます。

放棄方法は3パターンあります。

どの場合でも放棄の効力は遺言者の死亡時に遡りますので、いつ放棄をしてもはじめから放棄をしたことになります。

相続人は受遺者に対してある程度の時間を定め、遺贈の承認か放棄かを催促することができます。放棄された遺贈は、相続財産の中に組み込まれ、相続人に引き継がれます。

① 特定遺贈

特定遺贈の受遺者は、いつでも遺贈を放棄することができ、時期に制限はありません。(民法986条1項)
放棄する場合は、相続人または遺言執行者に対する意思表示が必要です。

② 包括遺贈

包括遺贈の受遺者は、相続人と同様の手続きが必要です。

相続の放棄・承認に関する民法の適用があるので、相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申述して遺贈の放棄を行う必要があります(民法938条/915条)。

3か月以内であっても、相続財産の全部または一部を処分した場合には承認したものとみなされ、遺贈の放棄ができなくなります。(民法921条)

③ 遺贈を放棄し、法定相続分だけもらう

受遺者が相続人でもあり、遺産相続がある場合は、該当する遺贈のみを放棄をして法定相続分を貰うことができます。

5-2.遺産分割協議への参加

包括受遺者は遺産分割協議に参加ができます。包括遺贈は、誰がどの財産を取得するかまでは定めていないため、遺産分割協議で分割内容を決めるためです。

また、相続人でない特定受遺者は遺産分割協議に参加しませんが、相続人である特定受遺者は遺産分割協議に参加することもあります。

5-3.遺言執行人への就任

受遺者は遺言執行者になることもできます。遺言執行者の欠格事由は、未成年と破産者のみです。(民法1009条)

① 遺言の中で遺言執行者に受遺者が指定されている場合は就任します。

② 遺言で遺言執行者が決められていない場合、家庭裁判所で選任申立てを行い、そこで選任された場合は遺言執行者に就任します。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?受遺者に関して必要な基礎知識を網羅的にまとめてみました。

相続問題が起きた場合は、自分に関わる単語や出来事に対して正しい情報を知ってから行動すれば、知らないままで手続きを進めるよりも安心していられると思います。

あまりに難しい・不安が拭えない場合は専門家に相談してアドバイスを受けることをお勧めします。

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