銀行預金を相続した際の相続税の算定方法は?注意点も解説!

1.預金・貯金額の算定方法

遺産相続について考える際に重要なのが、引き継いだ財産の算定についてです。
そこで、まずは預金・貯金額の算定方法について確認しておきましょう。
以下の3つのパターンについて、それぞれ紹介します。

  • 1.普通預金・普通貯金
  • 2.定期預金・定期貯金
  • 3.外貨

どれを相続するかによって知っておくべき内容は異なります。
あなたが相続する予定のものについて、理解を深めてください。
それぞれ、順番に解説していきます。

1-1.普通預金・普通貯金

多くの人が多少なりとも引き継ぐことになる普通預金や普通貯金は、相続が開始した日の残高がそのまま相続税評価額となります。金融機関に対して残高証明の発行を依頼し、残高証明に記載されている残高を申告すれば良いです。

ちなみに、多額ではなく課税上の弊害がない場合は、既経過利息は申告しないで良いとされています。既経過利息というのは、相続の発生時には受け取ってはいないものの、仮に解約したときに支払われる利息を指します。残高証明書・既経過利息計算書に記載されるので確認しましょう。

また、配偶者の名義や子どもの名義など、名義が被相続人とは異なる場合だとしても、実質被相続人のものだと考えられるケースでは相続税の課税対象になるので気をつけてください。

1-2.定期預金・定期貯金

定期預金や定期貯金の相続税評価額は、相続の開始時点の残高に、相続開始日に口座を解約した際に支払われる利息である既経過利息の分を加えた金額から、利息にかかる税金を差し引いた金額となります。定期預金・定期貯金の場合、普通預金・普通貯金よりも利息が高額になりやすいので、評価額算出の際に合算することになっています。

計算式を示すと「預金(貯金)残高+相続開始日までの利息(既経過利息)-利息にかかる税金」です。普通預金・普通貯金よりも計算することがやや増えるので、気をつけてください。

そして、利息にかかる税金というのは、既経過利息の「20.315%」の分です。20.315%は、所得税や復興特別所得税、住民税として差し引いてください。

1-3.外貨

外貨預金の相続税評価額についても確認しておきましょう。外貨預金というのは、アメリカドルやユーロのような外国の通貨による預金のことです。

外貨預金の評価額については、相続税の財産評価基本通達に基づいて算出することになっています。どの時点で評価するのかや、どのような為替相場で評価するのかが重要です。

被相続人が金融機関に外貨を預けていた場合、相続することになったら相続開始日のタイミングで評価します。相続税は日本円で計算するので、確認する時価も日本円です。確認するのは、「対顧客電信買い相場(TTB)」という為替相場となります。

もしも相続開始日に為替相場がなければ、それより前の一番近い日の為替相場で評価することになっています。

また、為替相場を確認する場所も重要です。なぜなら、為替相場は金融機関によって異なるからです。基本的には、外貨預金を相続して相続税を納税する相続人が普段取引している金融機関のものを使うことになっています。

注意すべきは、被相続人の取引していた金融機関ではないということです。もしも複数の相続人が外貨預金を引き継ぐことになったのであれば、各自が自分の取引している金融機関の為替相場を見て評価額を確認します。

2.預金・貯金を相続した場合に注意すること

預金・貯金を相続した場合には、いくつか注意することがあります。
どのような点に注意すべきかというと、以下の項目についての内容です。

  • 1.相続開始前3~7年以内に行われた贈与
  • 2.名義預金
  • 3.相続時精算課税制度

これらの内容について知らなければ、予想外のトラブルになってしまうことも少なくありません。
トラブルを回避するために、それぞれについて、順番に確認しましょう。

2-1.相続開始前3~7年以内に行われた贈与

1つ目の注意点は、相続開始前3~7年以内に行われた贈与についてです。

「贈与については相続税を考える際に関係ないのではないか」と思うかもしれませんが、相続開始前3~7年以内に贈与があった場合には、一度確認してもらいたいことがあります。何かというと、相続開始までの一定期間内において贈与が行なわれた場合、相続時には相続財産に加えられて相続税の対象となることです。

なぜ相続開始前3~7年以内と期間に違いがあるのかというと、令和5年までに贈与される財産は相続開始前3年以内、令和6年以降に贈与される財産は徐々に期間が延長されていき、最後は7年以内になることが決まっているからです。

これは令和5年の法改正によって決まったことなので、段階的に経過措置をとる期間が作られ、このようになりました。あなたが生前贈与を受けていた場合や、身近な人が生前贈与を受けていた場合には、該当しないかどうか考えたほうが良いでしょう。

2-2.名義預金

2つ目の注意点は、名義預金についてです。

名義預金という言葉を初めて聞いた方もいらっしゃるかもしれませんが、口座の名義人と、お金を預金している人が違う場合にこのように呼ばれます。たとえば、孫のために祖父母が孫の名義で預金をしている場合には、名義預金となります。

相続のときには、被相続人の財産について相続税を考えなければなりませんが、預金が名義預金だとみなされると被相続人の財産として相続税の対象になる場合があるので要注意です。名義預金については、相続税を減らすためにわざと隠すというより、名前が違うことによって相続税を計算するときに財産として存在することに気づかないケースが多いので、気をつけておきましょう。

2-3.相続時精算課税制度

3つ目の注意点は、相続時精算課税制度についてです。

相続時精算課税制度とは、贈与を受ける人が2,500万円(令和6年1月1日以降は基礎控除110万円を控除して計算)の枠までは贈与税を納めることなく贈与を受けられる制度のことです。この枠内であれば贈与税を納める必要がない代わりに、贈与者の相続が発生した場合には、贈与財産の贈与時の評価額を相続財産の計算の際に加算(令和6年1月1日以降は基礎控除110万円を控除して加算)します。そして、まとめて相続税を納める制度です。

もしも贈与によって 2,500万円の枠を超えてしまった場合には20%の贈与税が発生しますが、相続税を納める際に納税した贈与税の金額は控除でき、控除しきれない額は還付されます。相続税を納める必要がなければ、贈与税は全額還付されます。

この制度について注意が必要なのは、相続財産の計算をする際に相続時精算課税制度で受け取った贈与財産の加算を忘れてしまいやすい点です。加算するのを忘れて申告をしてしまったり、加算すると基礎控除を超えてしまうのに相続で受け取った財産が基礎控除以下の金額のため申告をしなかったりすると、税務署から過少申告加算税・無申告加算税その他ペナルティが課せられてしまうため、注意が必要となります。

被相続人が生前、相続時精算課税制度を使って財産を贈与していなかったか、確認するようにしましょう。

3.相続税を自分で申告する場合のリスク

インターネットで調べればいろいろな情報があるので、相続税を自分で申告しようとお考えの方も多いと思います。しかし、相続税を自分で申告する場合には、いくつかのリスクがあります。

「絶対に行うべきではない」とまでは言えませんが、事前にどのようなリスクがあるのかを確認した上で、自分で申告するのか専門家に依頼するのかを考えましょう。代表的なリスクとしては、以下の3つが挙げられます。

  • 1.財産の計上漏れによる延滞税・加算税等のペナルティー発生
  • 2.財産を高く評価したり、特例の適用漏れによる税金の払いすぎの発生
  • 3.税務調査の対象になりやすい

どれも知らないまま自力で申告してしまうと、予想外のトラブルになりかねないものばかりです。
場合によっては大きく後悔するおそれもある内容ばかりなので、それぞれについて順番に確認していきましょう。

3-1.財産の計上漏れによる延滞税・加算税等のペナルティー発生

1つ目のリスクは、財産の計上漏れによる延滞税・加算税等のペナルティー発生についてです。

相続税はすべての財産を計上できていなかったというような申告が間違っていた場合や、申告期限までに申告できなかった場合などにペナルティーが発生します。ペナルティーにはいくつかあり、簡単にまとめると以下のとおりです。

ペナルティー名 内容
無申告加算税 申告期限までに申告をしなかった場合で、期限後に相続税を納税したときのペナルティー
過少申告加算税 当初申告していた相続税が不足していて、期限後に追加で納税をしたときのペナルティー
重加算税 故意に財産を隠したときのペナルティー
延滞税 納付期限を過ぎている場合の延滞分の税金で、翌日から納付した日までの日数によって課税されるペナルティー

自分では完璧に申告できたと思っていても、意外と抜けがあるものです。また、相続発生後はやることが多く、予想外に申告手続きが進まずに期限を過ぎてしまうこともあるでしょう。そのような場合にペナルティーを発生させたくないのであれば、専門家に相談するのが安心です。

3-2.財産を高く評価したり、特例の適用漏れによる税金の払いすぎの発生

2つ目のリスクは、財産を高く評価したり、特例の適用漏れによる税金の払いすぎの発生についてです。

相続税の計算の際には、評価額が重要だとお伝えしました。今回は預金を中心とした評価額について解説しましたが、この他にも注意すべき財産はいろいろあります。

知識がなければ相続した財産を必要以上に高く評価してしまったり、使える特例をうまく使えずに税金を納めすぎてしまったりというケースも多いです。もちろんインターネット上には相続税についての情報がたくさんありますし、書店でも多くの本が売られているのですが、必要な情報を適切に選び取るのは簡単ではありません。

「節約のために自分で行おう」とお考えの場合には、実際にはどちらのほうが節約になるのかを冷静に考えることをおすすめします。

3-3.税務調査の対象になりやすい

3つ目のリスクは、税務調査の対象になりやすいことについてです。

税務調査というのは、税務署が相続税の納税が正しく行なわれているのかを確認するものです。税務署は相続税の申告内容と相続人等の実態について差異がないかをさまざまな観点から確認し、もしも問題があれば正します。

税務調査は全ての申告者のもとに行くわけではありません。税務署が選んだ一部を調査します。したがって、税務署に「相続財産を少なく申告したのでは?」「なにか財産を隠しているのは?」などと疑われると、税務調査に入られる確率はグッと高まります。

疑われるキッカケとしては、相続税申告書の不備です。記載ミスや添付書類の不足といったことがあれば、税務署側もより慎重にチェックするようになるでしょう。また、税務署は被相続人の財産についても把握しているので、申告した内容と相違があるようであれば、税務調査を検討します。

ほかにも預金が多いケースも税務調査に入られやすいです。預金はすでにお伝えした通り、相続税算定の際の評価額がわかりやすく、ミスも発覚しやすく、指摘もしやすいです。もしも多くの預金を相続する場合には、専門家に相談して申告をしたほうが安心できるでしょう。

4.相続税申告を相続専門の税理士に依頼するメリット

相続税申告については、専門知識が必要で悩むことが多いと思います。
さらに、先ほどお伝えしたように、相続税を自分で申告することによってリスクも生じます。
相続税申告を相続専門の税理士に依頼するメリットはいくつかあります。
たとえば、以下のようなものです。

  • 1.税務署に指摘されない適正な申告ができる
  • 2.税務調査の対象になりにくい
  • 3.二次相続も考慮した申告ができる

どれも魅力的なメリットなので、ぜひ覚えておいていただきたいです。
それぞれのメリットについて、順番に確認していきましょう。

4-1.税務署に指摘されない適正な申告ができる

1つ目は、税務署に指摘されない適正な申告ができるということです。

申告については、ご自身でしっかりやったと思っていても意外とミスがあるケースは少なくありません。深刻にミスがあると修正の手間やさらに税金を納める手間も発生します。

専門家である税理士に申告を依頼することで、スムーズかつ確実な相続税申告が実現できるのです。

4-2.税務調査の対象になりにくい

2つ目は、税務調査の対象になりにくいということです。

税務調査は税務署が申告内容について疑問を持ったときに行われるとお伝えしました。税理士に依頼することによって、適切な申告書を作ってもらえるので、税務調査の対象になりにくくなります。

税務調査はそれ自体が対応に追われますし、「税務調査に入られるかも」と思いながら日々を過ごすのはストレスになります。相続税申告が得意な税理士に依頼することで、そういった手間や心配は解消されます。

4-3.二次相続も考慮した申告ができる

3つ目は、二次相続も考慮した申告ができるということです。

配偶者が相続した相続財産の額が一定の枠までであれば課税されないという、配偶者控除を活用したいとお考えでしたら、税理士に相談すると失敗の確率が大きく下がります。なぜなら、配偶者控除を利用し、配偶者が亡くなった場合には相続財産が次の相続人に引き継がれます。そうなったときに次の相続人に多くの相続税がかかるかもしれません。

したがって、配偶者控除を利用する一次相続の段階で、二次相続も考慮して申告することが必要です。一次相続と二次相続の両方を考えて手続きを行うのは難しいので、知識のある税理士に依頼したほうが良いでしょう。

以上のように、相続税申告を相続専門の税理士に依頼することによって、さまざまなメリットがあります。
どうするのか悩んだときには、まずは相談だけでもしてみることをおすすめします。

まとめ

遺産相続について考える際には、引き継いだ財産の算定について適切に行うことが必要です。

今回は、預金・貯金額の算定方法について、「普通預金・普通貯金」「定期預金・定期貯金」「外貨」の3パターンでお伝えしました。

相続する財産の種類によって算定方法は異なるので、状況に合った評価額の出し方を知っておきましょう。

また、相続税申告をした際には、税務調査のリスクがあります。相続専門の税理士に依頼することで税務調査が入る可能性を低くすることができますので、少しでも不安があるようなら相続税申告は相続専門の税理士に依頼しましょう

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