2012.8月号
税制が後押しする生前贈与による節税
相続税が増税になる方向で改正が議論されていると聞きました。今からできる税金対策は何かありませんか。
相続税の節税手段として最も一般的なものは子や孫への生前贈与です。贈与税に関しては将来的には緩和が検討され、若年層への財産移転が後押しされつつあります。
<解説>
相続税・贈与税の改正については、「社会保障・税一体改革」に盛り込まれながらも、消費税関連法案などからは切り離され、来年度の税制改正まで結論が先送りされました。
現在検討されているのは、相続税に関しては、基礎控除額の引き下げなどによって課税ベースが拡大され、実質的に増税となるというものです。その一方で、贈与税に関しては「20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた場合」に使用する税率構造が新設され、全体的に5~10%の減税となる方向性が打ち出されています。つまり、今後は生前贈与による節税策がこれまで以上に重要な役割を果たすことになりそうです。
生前に財産を贈与することで相続時の課税価格を減少させることができ、相続人が納税資金を確保することができるのですが、この贈与の方法は大きく2つに分けられます。
一つは、毎年110万円の基礎控除を受けることのできる「暦年贈与」。そして、もう一つは一定の要件のもとに特別控除額2,500万円以内であれば贈与税を負担しなくてもよい「相続時精算課税制度」です。以下、それぞれについて解説していきます。
1.「暦年贈与」
※『社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案』より作成
■20歳以上の者が直系尊属より生前贈与を受けた場合
「暦年贈与」とは、贈与税の基礎控除額110万円を超える金額の贈与を受けた場合に、超過累進税率により課税される制度です。110万円の基礎控除額の範囲内であれば毎年無税で贈与をすることができます。
このように毎年少しずつ財産を親から子へ移していけば、贈与税を払う必要なく、その後に発生する相続税の負担を軽くすることができるのです。
ただし、毎年のように贈与を行うと「連年贈与」とみなされ、課税されてしまう場合があります。例えば、毎年子供に100万円ずつ20年間にわたって贈与していた場合、これは贈与開始の年に総額2,000万円の「有期定期金に関する権利」を贈与されたものとみなされてしまう恐れがあるのです。
そのため、年ごとに贈与契約書を作成したり、金額や振込の時期をずらしたりするなどして税務署から「定期的に贈与を受けているな」という印象を持たせない工夫が必要です。
2.「相続時精算課税制度」
「相続時精算課税制度」とは、生前に贈与を受けた財産の価額の内、2,500万円までを非課税とし、この贈与財産の価額を相続時に受けた財産の価額と合計して相続税額を算出するという制度です。贈与の回数・金額・種類は問わないのですが、非課税枠である2,500万円は「一人の贈与者が」贈与した財産の価額を累積した金額を指しています。
2,500万円の非課税枠を超えた場合には一律で20%の贈与税が課されるのですが、この納めた贈与税額は、後の相続税額から控除することができます。もし、贈与税額を控除しきれない場合には、その分は還付されます。
この制度を活用するか否かは、受贈者が贈与者ごとに選択できるものですが、一度選択すると相続時まで継続して適用しなければならないため、途中で暦年贈与に戻ることはできません。
相続時精算課税を適用した財産は、相続時に「贈与時」の価額で相続財産に加算されます。この特徴を利用すれば、今後の土地区画整理事業や都市開発事業で確実に値上がりの期待ができる土地については、この制度を適用した方が有利な場合もあります。ただし、贈与時と比べてその財産価額が下がってしまった場合には損をしてしまう可能性もあるということです。
結局、後に相続税を支払う人にとってはメリットの少ない制度と考えていいでしょう。
<適用対象者>
この制度の適用対象者は次の通りです。(年齢は贈与の年の1月1日現在)
・財産を贈与した人(贈与者)は65歳以上
(改正により「60歳以上」に変更を検討中。)
・財産の贈与を受けた人(受贈者)は20歳以上の子である推定相続人
(改正により20歳以上の孫も対象に追加を検討中。)
<相続時精算課税を選択した場合の具体例>
(1)平成24年5月5日に1,000万円を贈与
⇒1,000万円≦2,500万円のため、贈与税はかからない。
(2)平成25年7月20日に2,000万円を贈与
⇒2,000万円>1,500万円(=2,500万円-1,000万円)のため贈与税がかかる。
⇒(2,000万円-1,500万円)×20%=100万円の贈与税を納める。
(3)平成25年1月1日に相続発生
⇒100万円を相続税額から控除。相続税額が100万円未満であれば還付。
以上のような特徴から、相続税節税の手段としては、相続財産を減少させることができる暦年贈与を地道に進めていくことが最も有効です。生前贈与は、目的によって使い分けが必要となるので、事前に専門家に相談して検討するようにして下さい。
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