グリーンライフ知って得する税金の知識バックナンバー

法人を設立して節税をしましょう

※2012年9月時点の税制をもとに改訂しています。

個人事業者が法人を設立して、「税金が軽減された」という話をよく聞きます。法人化するとどのように税金が軽減され、どんな効果が考えられるのでしょうか。

個人事業者が法人を設立すると、事業所得の税金、相続税が軽減されます。また、経営上のメリットもあります。以下で詳しく解説していきます。

1. 事業所得の税金の軽減?

個人で農業や不動産賃貸業などの事業を経営している場合には、その事業による所得は個人事業主に集中してしまいます。その結果、超過累進税率(所得が多くなるにつれて税率が高くなる方式)を採用しているわが国では、事業主が多額の税金を支払わなければならなくなります。したがって、経営規模が大きくなり所得が大きくなればなるほど、それに伴って税負担も重くなることになります。法人を設立すれば、事業主に集中していた所得を分散することも可能となりますし、以下のような節税メリットがあります。

  1. 法人役員・従業員に対して報酬・給与の支払いができます。受け取った報酬・給与については、給与所得控除が適用されることになります。
  2. 役員や従業員に支払う退職金についても損金に算入することができます。
  3.  

2. 相続税の軽減?

  事業を相続する場合、法人化していると以下のようなメリットがあります。

  1. 所得を給与の支払いという形で家族に分配することができるので、贈与税を負担することなく資産の分配をすることができます。
  2. 分配された報酬・給与により、相続人は将来予想される相続税の納税資金を確保することができます。
  3. 出資持分の配分により、事業の承継をスムーズに行うことができます。
  4.  

3. 経営上のメリット

  法人を設立した場合の経営上のメリットとしては以下のようなものがあります。

  1. 法人の場合、個人経営と比較して経理をより明確にしなければなりません。そのため社会的信用が増し従業員の採用がしやすくなる、借入れの手段が増えるなど有利な点があります。
  2. 出資者の責任が有限であり、仮に事業に失敗したとしてもその出資の範囲内の損失ですみます。ただし、個人保証をした場合には別です。
  3. 個人の生活費と事業の経理を明確に分けることができます。
  4. 家族従業員に対して報酬・給与が支払われるので、事業に対する意欲が向上します。
  5.  

4. 法人設立のデメリット

  法人を設立すると次のようなデメリットが生じる場合があります。

  1. 事業規模が小さいと税負担が増加します。(個人の場合には所得がなければ税金がゼロになりますが、法人の場合には所得がなくても地方税が最低7万円課税されます)
  2. 経理・申告事務が繁雑なため、税理士等への依頼が必要となり経費負担が多くなります。

上記のメリット・デメリットを考慮して法人設立を検討し、節税・経営に役立ててみるのはいかがでしょうか。

 

法人設立による節税額

農業と不動産賃貸業を営んでいる事業主(配偶者・長男)が農業生産法人を設立した場合を見てみましょう。なお、会社は給料をそれぞれに400万円支払っています。

現在の納税額(単位は万円)

  事業主 配偶者 長男
収入 農業 1,166 0 0
不動産 5,845 0 0
給与 0 360 0
その他 394 0 0
収入計 7,405 360 0
経費等 農業 645 0 0
不動産 3,077 0 0
その他控除 907 164 0
経費控除等計 4,629 164 0
課税される所得 2,776 196 0
税額 法人税 0 0 0
所得税 830 0 0
住民税 227 19 0
事業税 124 0 0
消費税 40 0 0
税金合計 1,271 28 0
 

法人を設立した場合の納税額(単位は万円)

  事業主 配偶者 長男 会社
収入 農業 1,166 0 0 0
不動産 4,968 0 0 5,845
給与 0 420 400 0
その他 394 0 0 0
収入計 6,528 420 400 5,845
経費等 農業 645 0 0 0
不動産 2,788 0 0 289
その他控除 779 176 172 5,581
経費控除等計 4,212 176 172 5,870
課税される所得 2,316 244 228 -25
税額 法人税 0 0 0 0
所得税 646 14 13 0
住民税 231 24 22 7
事業税 94 0 0 0
消費税 36 0 0 0
税金合計 1,007 38 35 7

個人事業の場合の納税額:1,299万円
法人を設立した場合の納税額:1,087万円

節税額:212万円

 

※不動産賃貸業を法人化した場合も同様の効果があります。

 

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