スタッフブログ

消費税還付スキームを理解しましょう!

2012年07月19日

こんにちは、園部です。

このブログでもご報告しましたが、
先日、丸の内相続大学校で、

『不動産所有法人を利用した消費税還付』
をテーマとした講義がありました。

かなり高度な内容だったので、
全員が全員、講義の内容をすんなり理解できなかったかもしれません。

その補足というのも僭越ですが、
前提として持っておきたかった知識を
おさらいしていきたいと思います。


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一昔前まで、自動販売機を利用して
多額の消費税の還付を受けるという節税(?)術がありました。

国税当局では、「法の趣旨に反する」として、
「租税回避」行為と揶揄していたものですが、

仕組みを知ると、消費税の理解が深まります。


このスキームを実行する場合、以下のような手続きをとります。


<一年目>

(1)課税売上割合を95%以上にする
(2)課税事業者を選択する
(3)マンションを購入する
(4)還付を受ける

<二年目>

(5)「免税事業者」または
   「簡易課税事業者」となる届出を行う

<三年目>

(6)還付額の再納付を回避する

何故、こんな回りくどい手続が必要となるのか、
解説していきましょう。

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まず、(1)にある課税売上割合とは、
課税売上高を(課税売上高+非課税売上高)で割った値をいいます。

これが95%以上である場合、

仕入れの「全額」

が仕入税額控除の対象となります。


(本来は、「課税売上」に対応する「課税仕入れ」だけが控除の対象です。

 なお、この「95%ルール」については改正がありますが、
 詳しくは4月11日のブログを参照して下さい。)



この仕入税額控除の対象が広がって何が嬉しいのか、というと、


消費税は、

仕入れで「支払った消費税」が、
売上で「受け取った消費税」を上回った場合、

その上回った分だけの金額の還付を受けることができる
というシステムになっています。


つまり、不動産を購入して賃貸業を開始する直前に
自動販売機の売上(課税売上)によって一時的に課税売上割合を100%とすれば、

本来は「非課税」仕入れである賃貸物件の購入に充てた資金も控除の対象とされるため、

多額の還付を受けることが出来るということです。

(一億円の物件であれば、約500万円!)


当局としてみれば、こんな形で税金を返さなくてはならないのは
釈然としないわけですから、
なんとかしてこの還付を妨害しにかかります。


上記のような還付を受けた後、
購入した物件から賃貸収入(非課税売上)を得ることで、
必然的に課税売上割合は大きく下落します。

ここに目を付けた法律が整備されました。

「消費税法第33条」

です。

この法律の要旨は、


「調整対象固定資産(賃貸物件など)を購入して

 <三年目>に課税売上割合が大きく変動した場合」


に、税金の調整を強制するというもので、


この規定に引っ掛かると、還付を受けた額のほとんどを
再び納付しなければならない、というように定められています。


これで不自然な自動販売機もなくなるものか、と思いきや、

ここにも抜け道がありました。


「消費税法第33条」のフィルターをすり抜けるのが、
「免税事業者」または「簡易課税事業者」です。

この「消費税法第33条」の網の目を潜り抜けるために、
わざわざ<二年目>に届け出を行っています。

(<二年目>に届け出れば、<三年目>に適用されるため。)


この手続をとることで、

「消費税法第33条」の


「<三年目>に課税売上割合が大きく変動した場合」


の適用対象外となり、晴れて還付額を丸々我がモノとできるわけです。


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さて、ここからが重要です。


このようなテクニックが活用できたのも、
課税事業者を選択してからの強制適用期間の縛りが
「2年間」であったためでした。

ところが、平成22年度の改正によって強制適用期間の縛りは
「3年間」となり、
現在ではこの還付スキームを
「そのまま」使うことはできなくなっています。


とはいえ、
それでも尚、還付を受けられるケースはあります。

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<還付を受けられるケース①>

居住用の不動産賃貸以外に事業などを営んでいて、

(事業用建物、駐車場賃貸に係る収入は「課税売上」)

元から課税売上高が多く、
家賃収入を考慮しても課税売上割合が大きく変動しないような方であれば、

そもそも「消費税法第33条」の網にはかからないので、
安心して還付を受けることが出来ます。

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<還付を受けられるケース②>

もともと(3年以上前から)課税事業者であり、
アパート・マンションを建設する機会に事業規模を縮小することで、
課税売上高が1,000万円未満となり、
免税事業者となってしまうような場合です。

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これ以外にも、


法人設立などを利用して、少し工夫すれば
まだまだ還付を受けられる余地はある!

というのが先日の講義の内容でした。

とはいえ、
消費税法の引き締めは年々厳しくなっていますし、

満額で還付を受けるためには、
「いつ」、「何の届出をして」、「この期間は何をしてはいけない」、
と、複雑な縛りでがんじがらめ。

実行に移す前には、
必ず信頼できる専門家にご相談下さい。


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